後見人制度について
- Naoya Adachi
- 2024年6月17日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年7月22日

法定後見制度とは?
法定後見制度は、判断能力が不十分な人が自己の権利を守り、適切な意思決定を行えるよう支援するための制度です。この制度は、「補助」「保佐」「後見」の3つの類型に分かれており、それぞれの類型は、対象者の判断能力の程度に応じて区分けされています。
成年後見制度の種類と特徴
前述のとおり、成年後見制度には「補助」「保佐」「後見」の3つの類型があります。「補助」は、日常生活に関する一部の行為について、補助人の同意が必要な場合に適用されます。「保佐」は、「補助」より広範な行為について保佐人の同意や代理が必要な場合に用いられます。「後見」は、ほぼすべての法律行為について後見人の代理が必要な場合に適用されます。
1. 補助
- 対象となる方: 重要な手続・契約の中で、ひとりで決めることに心配がある方。
- 成年後見人等の同意が必要な行為: 申立てにより裁判所が定める行為。
- 取消しが可能な行為: 日常生活に関する行為以外の行為。
2.保佐
- 対象となる方: 重要な手続・契約などを、ひとりで決めることに心配がある方。
- 成年後見人等の同意が必要な行為: 民法13条1項記載の行為のほか、申立てにより裁判所が定める行為。
- 取消しが可能な行為: 日常生活に関する行為以外の行為。
3. 後見
- 対象となる方: 多くの手続・契約などを、ひとりで決めることが難しい方。
- 成年後見人等に与えられる代理権の範囲: 原則としてすべての法律行為。
これらの類型は、本人の判断能力に応じて選択されることとなります。
法定後見制度の手続きと流れ
法定後見制度の手続きは、家庭裁判所に申立てを行い、審判を受けることから始まります。申立てには、医師の診断書や関係者の意見書などが必要となる場合があります。審判によって、補助人、保佐人、または後見人が選任され、必要に応じてその権限が定められます。
家庭裁判所に申し立てを行えるのは、本人、配偶者、親族、後見人、保佐人、補助人、検察官等に限られます。申し立ての際には法律に携わる士業や社会福祉協議会等へご相談されることをお勧めします。
後見人の役割と責任
後見人は、本人の財産管理や法律行為を代行する重要な役割を担います。後見人には、本人の利益を最優先に考え、適切な判断を行う責任があります。また、定期的に家庭裁判所へ報告を行う義務も負います。親族も後見人になることが可能ですが、傾向としては預金資産等が1,000万円を超過すると親族以外の士業が選任されることが多くなります。
法定後見制度の活用事例
法定後見制度は、認知症の進行により判断能力が低下した高齢者や、精神障害を持つ成年者など、さまざまな状況にある人々の支援に活用されています。具体的な事例として、財産管理や契約の締結、日常生活における重要な決定などが挙げられます。
法定後見制度の申立て費用
法定後見制度の申立てには、さまざまな費用がかかります。
以下に、申立てに必要な費用の詳細を示します。
申立に関連する費用
1. 申立手数料: 申立書に収入印紙800円分を貼って提出します。保佐や補助の申立てにおいて、代理権や同意権の付与申立てをする場合、それぞれ800円分の収入印紙がさらに必要です。
2. 後見登記手数料: 家庭裁判所から後見、保佐、補助の審判があると東京法務局に登記されます。登記費用として収入印紙で2600円分を納めます。
3. 連絡用の郵便切手代(予納郵便切手): 送達・送付費用として、郵便切手を納めます。予納郵券の金額は約5,000円程度です。
必要書類と取得費用
申立書に添付する必要書類について、取得費用の実費目安は次の通りです。
医師の診断書作成費用: 診断書は自由診療の範囲となるため、各医療機関により料金は異なりますが、数千円程度/件の費用設定となっていることが多いです。
これらの費用は、法定後見制度の流れを理解し、どのような費用がいくら必要になるのかを確認する際の参考となります。
当事務所では、後見制度に関するご相談を承っています。
初回ご相談は無料でお受けしますので、お気軽にお問合せください。
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